2021年3月、日本の工業メーカー「株式会社シマノ」は100周年を迎えます。
100周年の節目に合わせて、何かしら発表するのではないか、という推測から、「新型のDura-Aceがお披露目されるのでは?」とロードバイク界隈は話題沸騰。
新Duraのトピックスは、別方面におまかせして、このブログではそのほか部分にフォーカス。勝手に推論。こじつけていきます。ガセネタ、Fish-On!
INDEX
現行 SHIMANO ロゴ
ロードレースの中継では、このロゴがいたる場面で視界に飛び込んでくる。すっかりお馴染みのマーク。
でも、よ〜く見てるとデザインに「古臭い」印象を抱いてしまう。
同じShimano製品だけどロゴがスタイリッシュ。via.Shimao
参考にほかのレーベルのロゴフォントを貼ってみた。
比べると、やはりコーポレートフォントの古臭さが否めない。同じ会社なのに、代表のはずの社章・社紋の扱いが無下。これいかに。
上記のことから、100周年に合わせて新しいロゴをリリースしてもいいんじゃない? と感じた。さてこの予想は当たるでしょうか。答え合わせは3月21日。
そして迎えた3月21日。
結局、新Duraは発表されず、個人的に予想した新ロゴもお披露目されず。といった結果でした。受け取りした情報は、水に流していただければ幸いです。
記念サイトで「100周年のロゴマーク」を制定している。早くも予想の根拠が怪しい。| via. shimano 100th
1973年 Dura-Ace 初リリースの頃から現行ロゴデザインが使われている。50年くらい変わってないんじゃない? ▶The History of DURA-ACE
シマノは、2021年3月に創業100周年を迎えます。
創業年月と100周年日のナゾ
カウントダウンの数字が0になるのは21日。だが「23日サイトオープン」の表記が紛らわしい。画像は3月1日時点。
多くのメディアで記載される「2021年3月 ─ シマノ100周年」
でもちょっと調べればわかるけど、シマノが会社概要で記載している創業年月は『1921年2月』である。
1921年 島野庄三郎が島野鐵工所を創業
1921年2月、島野庄三郎(当時26歳)は、堺市東湊のセルロイド工場の跡地12坪を月5円で借り、懇意にしていた佐野鉄工所から借りた六尺旋盤1台を元手に島野鐵工所を創業した。株式会社シマノ 会社沿革より
それじゃ 3月21日 ってなんだ?
疑問に思って調べても、過去に一致する転換点も見つけられない。
語呂がいいから 3月21日 なのか?
ならなぜ「3月23日に本サイトオープン」なのか。→気付いたら『21日』に修正されました
21日は日曜でダルいからズラしたのか。千葉県知事の選挙日だから配慮してくれたのか。シマノさん、大阪ですやん。
真相はわからないけど、カウントダウンが 0 になる日に何かが執行される。ベールが払い落とされる。その瞬間を刮目することと県知事選挙の投票に行くことしかできない。千葉県民なもんで。さよなら森田健作。
その後、記念サイトオープンで発見したけど「3月21日」の根拠として、
創業者、島野庄三郎の生誕日が「3月21日」と紹介されていた。これなら記念日にするなら妥当かなと。でも“会社創業”とは厳密に異なる。
『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』くらいの感覚。
ほんとに100周年のカウントがナゾ
例えば、
『2011年3月11日に起きた東日本大震災は、2021年3月11日で10年経ちました』←これはわかる。
『2011年3月11日に起きた東日本大震災は、2021年4月11日で10年経ちました』←?
シマノの100周年カウントって上記みたいなことだと思うのだけど、今までのオレの認識が間違っていたのか!?
でも、、、そういう風にカウントすることがあってもいいッ!むしろエモい。ときめく時代ッ!! ──そうだろ? (弁護が苦しい)
シマノ的には日本の自転車販売は横ばい
コロナ禍で自転車の売上が伸びている──
いたるところで、こんな見出しを目にする。
「確かにそうだよね」と考える自分と、
「いやでも、周りで自転車を買った人ってそこまでいるか?」と懐疑的に思う自分がいる。
シマノが株主用に出している企業の通信簿、決算書にシマノ的見解が記載されている。
自転車部品
新型コロナウイルス感染拡大により、自転車の需要は春先に大きく落ち込んだものの、その後自転車は手軽なレクリエーション、エクササイズ、かつ感染リスクの低い交通手段として注目されるところにより、世界規模での需要の高まりが見られました。
このような状況の下、欧州市場、北米市場をはじめとする海外市場では、自転車および自転車関連商品の店頭販売は好調を維持した一方で、継続する旺盛な需要に供給が追いつかない状況から、各国の市場在庫、流通在庫ともに不足する傾向が続きました。
日本市場では、欧米のような大きな自転車需要の高まりは見られなかったものの、レクリエーションや交通手段を目的としたクロスバイクや電動アシスト軽快車の店頭販売は堅調に推移し、市場在庫は概ね適正水準で推移しました。
このような市況の下、マウンテンバイクコンポーネントの新型「Deore」をはじめ、既存の幅広い製品全般に多くの注文をいただきました。
引用▶株式会社 シマノ 2020年 12月期 決算短信
この売上高は自転車部品以外も含まれているので、自転車パーツ単独は計れないけど。
上記の決算コメントを読む限り、「日本の自転車市場は欧米ほど盛り上がったわけではない」とのこと。
シマノ以外にも自転車や関連部品を製造する会社はあるので、この見解が業界の総意ではないだろうけど、メディアが何を根拠に流布しているのか、
その解釈は妥当なのか、感情論なのか、肌感覚なのか、信憑性はあるのか、データに基づいているのか、はたまた策略か、、、
情報を読み解いていくスタンス「リテラシースキル」「ファクトチェック」は、めんどくさいし、読み誤ることもあるけれど、自分の中で育てていきたい。
シマノの利益内訳は「自転車関連8割:釣具2割」の比率が近年の傾向。via.2020年12月期 株主通信 より
フラッグシップとボリュームゾーン
今回リリースする新型Dura-Ace。
どこかで読んだけど、自転車コンポーネントの中で、Duraにあたるフラッグシップグレードはコンポ全体の数%の売上しかないらしい。
どのグレードのコンポが売上を占めているかと言ったら、ミドル〜ローグレードになる。ボリュームゾーンと呼ばれる製品群だ。
2020年にシマノはMTBコンポ 新型〝DEORE〟をリリース。
この価格帯では、比較されるライバルメーカーより1枚も2枚も上手のプロダクト。
フラッグシップのDuraだけではない、シマノの経営戦略が評価される理由のひとつ。
株主・ストックホルダーに対しては、新型Duraを発表するより、自転車市場のシェアを席巻できるようなプロダクトを発表した方が評価されるのかもしれない。
ある意味 株主は冷徹無比が多く、情熱や人情味よりもデータを優先する。
だけれど、フラッグシップを生み出すエネルギーも損得勘定抜きで必要とされることがある。
例えば、クルマ業界。
- ホンダ・・・NSX(王道。かっちょいい。)
- トヨタ・・・スープラ(速そう。Future感。)
- ニッサン・・・フェアレディZ(■■■。■の主張が強い。)
トヨタのスープラはBMWとの共同開発。というかBMW側の割合が大きい。
「あのタイミングでしかBMWに乗っかって、スープラを作れなかった」みたいに言っていた(真相はわからない)
そこまでして利益率が乏しいスポーツカー、フラッグシップというジャンルを開拓・開発する事業に、ある人はメーカーの矜持と見て、ある人は経営的損失と見る。
新型Dura-Ace。
ロードバイク界隈しか沸騰してなさそうで、釣り人は新型リールやロッドの発表を期待しているそうな。
これから先を歩むための企業理念
新製品の発表がメインかもしれないけど、企業理念の打ち出し方も気になっている。
時代は気候変動や環境問題で、脱炭素・低炭素社会に舵を切った。そうして注目された移動手段が自転車。
シマノは e-Bikeの電動ユニット も開発・製造している。電動ユニットのシェアの奪い合いは2021年からの10年間で熾烈な争いになりそうな気がする。それこそチェーンで駆動する自転車の構造が大きく転換するターニングポイントになる可能性もある。
大企業になればなるほど、産業構造の在り方を提示・明言して、より良い社会になるため自分たちの会社が存在する意義を打ち出すことが求められる。
会社の理念や行動規範によって、経営や事業の意思決定が為されるのだから、利潤だけを追求するのではない、進んでいく道筋を指し示す所信を表明してほしい。
おわりに ─ さん・に・いち、サニー
3月21日。
偶然にもこのブログの記念日も3月21日だ。勝手に決めている。
「3.21」で「サニー」とゴロを合わせているのと、今の TIME を組んで初乗りしたのが3月21日。
シマノさん、気が合いますね。なんだか運命を感じませんか?
いや、マジ、シマノコンポ 最 高で、ワイヤレスのSTIとか12速とかあったらもっと自転車ライフが楽しくなるとおもっているんですよ。
この偶然を祝して、新型Duraをご提供いただいても、当ブログとしてはめちゃくちゃ大歓迎なんで、どうぞおひとつお頼み申し上げます。
これからも応援してますよ、シマノさん!
そして、当ブログも誰かから応援してほしい。どなたかいらっしゃいませんか?
シマノは、2021年3月に創業100周年を迎えます。
シマノ元社長・島野喜三氏死去 MTBブームをけん引、グローバル企業に育てる | Cyclist サンスポ
シマノの四代目社長、元会長の島野喜三(よしぞう)氏が2020年7月3日、死去した。85歳だった。島野鉄工所(のちに島野工業、現シマノ)の創業者・庄三郎氏の三男で、長兄尚三氏、次兄敬三氏に続いて社長就任。島野喜三氏とも交流のあったスポーツライターの山口和幸さんに、小説風に故人を振り返ってもらいました。