気付いたらアップデートされて使いやすくなった “Relive”
タイトルの通り、自分が走ったルートを3Dマップでトレースするインパクトある動画を作ってくれる。
もし Relive なしで同じ動画を作るとしたら、GPSデータを分析して GoogleMapAPIら辺を活用し After Effectsを使いこなして・・・、とある程度のスキルが求められる。
それを 誰でも簡単にPCスキルなしで作れる── そんなことができるのだろうか?
── できらぁっ!
えっ、いまなんていった?
「同じように、もっと上手い ステーキ ステキな動画をつくってやるよ、っていったんだよ!!」
そう、これはアプリ紹介と見せかけた、トラッカー系サービスで起こった 静かな伝説 の物語。
INDEX
まずはどんなものか見せてくれ─
百聞は一見に如かず。下の動画を見てほしい。
Relive ─ “Tokyo2020 Cycle Road Race Men’s” (234km 獲得4865M)
東京2020オリンピック サイクルロードレース 男子 のコースを Relive でつくってみた。
無料でこのクオリティの動画が作れてしまうとは、最初に知ったときは驚きでテンションが上がった。
3Dビューで走ったルートをグリグリいじれる | view explore
作成した 動画ページ を開くと、上のGIFみたいなコンテンツにもアクセスできる。こういうWebサービスを実現させちゃうなんてカッコいいことよ。
左のサイドメニューから女子コースも見れます。 東京オリンピック自転車競技コース (Google マイマップ)
2020年7月24日 東京オリンピック が開幕
翌日 25日、 ロードレース男子 が開催!
→2021年 7月 24日 リロード開催
ざっくり 作成手順
まずは、ざっくりRelive動画を作成するまでの流れ。次節で詳しく解説していきます。
【How to】 作成ガイド より詳しく─
1. GPSログについて
Reliveで受け付けているデータのフォーマットは、 .fit .gpx .tcx の3種類。
加えて、実走時間も記録されていないと「このデータは無理やで」と断られてしまう。
なので基本は実走してGPSログがあるデータとなる。(生のアクティビティログ)
ただいろいろ試していたら、実走していないデータでも動画を作ってくれる方法に遭遇。
一番上に貼り付けている 東京オリンピック自転車競技コース(GoogleMap) は、実際に走ったわけでもないし、ラスト数キロ、富士スピードウェイサーキットに侵入して好き勝手できる権限もない。
─架空のアクティビティでRelive動画を作る方法
記事公開時点ではOKだったけど、エラーになる可能性もご留意で。
- ルートラボなら、TCXフォーマットでDLして、Relive側にアップでOK。
- GoogleマイマップなどKMLデータやその他のトラッカーサービスは Ride with GPS に一度アップロードする。(Ride with GPSのアカウントは事前作成してね)
- Routes ページを開いてオレンジ色のボタン [Export Fit File] (横の3点メニュークリック) [More export options] → [TCX History (.tcx)] を選んで ダウンロード
- Relive の方で「手動でアクティビティをインポート」→ DLしたデータをアップしてFinish
Ride with GPS 無料なのに豊富にフォーマット選べることに歓喜。課金しよ。
GPSデータを直でいじれる人ならわりかし簡単に偽装できそう。
2. 他のサービスとアカウント連携
2019年7月以前のReliveは、Strava連携が必須のサービスだった(と思う)
つまり [アクティビティがStravaにアップされる → 連携してRelive動画が作成される] この流れがRelive作成の主流だった(有料プランなら単体GPSデータのみでコンテンツ作成もできたみたい)
2019年夏頃、Relive側のアップデートにより、Strava連携&ストラバ至上主義は崩壊し、単体のGPSデータでのコンテンツ作成が無料プランに開放された。
この記事を作成している時点では、下記のトラッカーサービスとコネクトすることで自動作成に対応。→ Ride with GPS が気付いたら追加されていた
以前は密な関係だった Strava はもういない。Stravaが振ったらしい。
3. 写真紐づけの仕組み
Reliveアプリは、スマホのカメラフォルダ内の写真を読み込む。
その写真のタイムスタンプ(撮影時間)を判定して、GPSログの時間軸とマッチング。
こうして走行ルート上に撮影した写真が自動配膳される仕組みとなっている。
なので、この仕組みを理解していれば、写真のタイムスタンプをいじることで任意の画像を自動配置できる。(デジカメ写真のタイムスタンプがズレることはないと思うけど)
手動でもロケ地と写真を紐付けできるため、1〜2枚くらいだったらタイムスタンプをいじる必要は感じないけど、大量に写真を配置するなら知っておいても損はない。
Googleフォトの [情報] 項目からタイムスタンプをいじれる。
編集した写真は、以下のディレクトリに保存する。
・Android ── sdcard/DCIM/Camera –Pixel3の場合 (機種によって異なるかも)
ただ自分のAndroidだと、取り込んだ写真をReliveアプリが認識してくれず ? の結果になった。サポートにフィードバックしておいたので改善されたら嬉しい。
注意してほしいのは、こういう仕組みのためGPS端末やカメラ内部の時間がズレていると手こずりそう。
ちなみにタイムスタンプは、「Exif」と「ファイルデータ」の2種類あるけど、影響するのは Exif の方。詳しく調べるほどココらへんの理解が不安になってきて ? になったけど、Googleフォトでいじるのが簡単だし問題ないかと。サポートの回答も using Google Photo or a similar application. といわれた。
参考 写真のExif情報とファイルのタイムスタンプ情報を修正したい(ExifFileOpeの紹介)gooブログ
4. コンテンツの編集
アプリの動画コンテンツ作成する一連の流れを GIF にしてみたので、雰囲気をわかってもらえたら。
ライド当日の写真がスマホ内にあるのなら、自動で撮影スポットと紐づけてくれる。
手動でもロケ地と写真を任意で編集できるので、機能不足は感じない。
無料プランは写真枚数が10枚の制限で、有料にすれば50枚まで挿入できる。
編集して完成したRelive動画が下記のもの↓
動画の内容もさることながら、コンテンツページ のまとまり方が秀逸。
その日のライドがわかりやすくまとまっている。
表にすると、Relive動画を作ることで、2つのコンテンツが自動で作成される。
Reliveで作られるコンテンツページ | URL |
タイムライン(動画+写真+マップ) | https://www.relive.cc/view/v1vjpkp7GJ6 |
Explore(3Dマップでルート探索) | https://www.relive.cc/view/v1vjpkp7GJ6/explore |
春先の山梨県笛吹は桃の花が咲き乱れまさに桃源郷。
以前記事にはしているけど、事前学習は現地での感動を奪うので、情報はノールックで済ませて、現地の光景に存分に酔いしれてほしい。
無料と有料の違い
無料ユーザーと 有料会員 の違い。サポートページに 説明 されているので紹介。
できること or できないこと | 無料ユーザー | 有料 (Club)メンバー |
アクティビティの時間 | 12時間以内 | 制限なし |
動画にBGMを追加 | サイレンス(無音) | Reliveライブラリからチョイス |
写真の枚数 | 10枚 (1000px圧縮) | 50枚 (2000px圧縮) |
動画クリップの挿入 | ✕ (iPhoneならLivePhotoもOK) |
◯ (6クリップ最大10秒) |
Reliveビデオの再編集 | ✕ | ◯ |
ビデオ品質 | SDのみ | HDも可能 |
ルートのトレース速度 | 標準のみ | スロー / 標準 / ファスト |
コネクトしてる古いアクティビティ編集 | ✕ (データDLしてインポートすればOK) |
◯ |
Reliveビデオの仕上がり | 3〜5分 | 無課金より早い |
料金 | ¥0 | 1ヶ月¥1160 or 年間¥6600(月/¥550) |
2019.11 作成時点
ほかの設定として、言語 単位(メートル/マイル) プライバシーゾーン などがあります。
iPhoneのみ対応している ライブPhoto も Android-モーションPhoto に対応予定。頻繁にブラッシュアップしている印象です。
参考 Relive サポートオフィシャルサイト
おわりに ─ Reliveの背景
Reliveは、2016年早春 オランダの3人の有志たちがサイクリング中に「Coolなトラッカーサービスを作りたいぜ」 という情熱から歩みをはじめました。
外の世界に一歩踏み出すこと、外の世界とスポーツを通して触れること、その体験がまだ見ぬ世界を感じられるように──
そんな気持ちの上で、作り上げていったサービスみたいです。
Map情報は Esri (地理情報システムの企業) Living Atlas of the World Satellite を利用していると、サポートに 記載 してあります。
今では Team Relive は 数十人のチームとなって活動しているそうです。日本の方もいます。
参考 about RELIVErelive.cc
今後 Relive は「アウトドア愛好家のトップでエキサイティングなコミュニティになる」と明記してあります。
その試みは日本に住んでる私一個人が Relive というツールに触れてワクワクを感じたように、世界中のアウトドア好きも、これまでのログに違う <何か> を見出し、これからの冒険の良き相棒として慕われることでしょう。
Bedankt ! Relive. Come to Japan!! ───with “Mathieu van der Poel”
via. relive.cc