趣味としてロードバイクやアウトドア・スポーツを始めると気になってくる気象情報。
この10年で天気予報のサービスも充実&進化しているので、少しでもテクノロジーのおこぼれを貰おうと利用できる天気予報について調べてみました。
「最近なんかぁ変な天気・・・。昔は良かった。」と毎回天気にダメ出ししている人に告ぐ──
天気は日々アップデートする、変われないのは人間の方だ。・・・たぶん。
INDEX
Windy
メイン画面。すでに風向きがわかりやすい。下の再生ボタンを押せば時間経過の天候をプレビューできる。Windy.com
画面のグラデーションは、風速を色情報で表しており、下に表示されているカラーバーと一致する。風速は初期表示だと kt(ノット) 単位なので、設定から m/s (秒速) に変更すれば日常的に見慣れた単位になる。(iOS版だと変更メニューがわからず)
「ECMWF」「GFS」「NEMS」は気象予測モデルのデータ提供元を意味する。デフォルトで表示される ECMWF はヨーロッパ中期予報センターのデータ。精度が高いらしい。詳しくはオフィシャルサイトの説明で→ What source of weather data Windy use?
任意の場所を長押しすれば、その地点の天気情報が表示される。(もしくは左上で検索)
ブラウザで windy.com にアクセスすることでも情報は見れる。ライブカメラともコネクトしてる。
Windy はチェコ・プラハのエンジニアが「クールなお天気情報サイトを開発したいぜ!」というパッションから2014年にローンチ。わかりやすいアニメーションUI、多機能だけど動作が軽い、そして圧倒的な情報量に感服。Děkuji, Windy!!
Windy.com
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基本1 ─ 天気予報の情報源・観測網について
気象予報の流れについて調べてみたのでざっくり説明。
日本では、トップが 『気象庁』
その気象庁が許可した組織のみが 予報業務許可事業者 という認可を受けて公に活動を行える。wikiに認可した事業者リストが載っている。ちなみに国内に拠点がなければ罰則は受けないので、海外業者が日本の天気予報を公表という例もある。→AccuWeather やiPhoneデフォルトのお天気アプリとか。
押さえておきたい日本の2大民間気象会社は『日本気象協会』と『ウェザーニューズ』
日本気象協会
tenki.jp のサイト&アプリを提供する古参の事業者。1993年の気象業務法改正までは気象情報をほぼ独占で提供していた。
情報源は、気象庁が提供している気象衛星・気象レーダー・アメダス などのデータを活用。アメダスは観測地点数は1300箇所。
参考 日本気象協会Wikipedia
ウェザーニューズ
weathernews.jp 本社所在地は千葉-幕張・新都心。(埼玉も新都心を主張して殴り合ってるけど)
“気象情報・予測” という分野は、国の公的機関や軍隊が担っているケースが世界的に多い中、 “民間” として世界最大の気象情報サービス会社に成長した。
情報源は、気象庁提供のデータも活用しつつ独自の収集ネットワークを築く。地点数はアメダス1,300箇所と比べて、132万371 地点 と発表しています。ただアメダス水準の観測機器(アンテナ)と比べたら、カウント数に疑問があるけど、まぁ圧倒的な数量で凌駕。予報精度を向上させるため勢いを感じる会社。
参考 ウェザーニューズWikipedia
基本2 ─ 気象情報のデータ解析
参考 天気予報Wikipedia気象観測網で収集されたデータを、解析して予測するのが各機関や民間会社、事業所の腕の見せ所。各企業が独自の気象モデルの正確さに磨きをかけてシミュレータを構築している。
自転車で例えたら、入手した素材を「どういう乗り味のフレームに設計にするか」にあたる部分。専門知識もないのでデータ分析の深い話はできないけど、
- これまでの経験則が通用しない気象現象が起きてること
- ビックデータやAIの進化により複雑な解析が(昔よりは)容易になったこと
- 気候変動による事業リスクヘッジの需要など、正確な気象予測は今よりもっと必要になる
また、大気の変動を予測することは非常に困難。
「カオス理論」 や 「バタフライ効果」という言葉を聞いたことはないだろうか。中二病が大好物そうなこういったキーワードは、気象モデルの研究をしていた エドワード・ローレンツ が 微小のふるまいが大きな結果をもたらす ローレンス方程式 を提唱したことが発端となっている。(wiki の受け売り)
ロジックそのものは理解できないけど、言葉のカッコよさから口に出してドヤってみたい薀蓄だ。
前提 ─ 予報データの提供元を確認しよう
アプリ紹介の前に、「天気予報の基本」を持ってきたのは、予報業務の認可を受けている事業者しか天気予報を公表できない。そのため何十個のお天気アプリがあろうとも提供元が同じ事業者なら天気予報は同じになるからだ。(Windyはズバ抜けているので先頭にしたけど)
なので提供元をチェックして、あとは「UIの見た目」や「操作感」で好みのお天気アプリを見つけてほしい。
Yahoo! 天気
定番となってる感はあるけど、よく利用しているので網羅的に紹介。
天気予報の提供元は 「ウェザーマップ」
(2018年10月までは日本気象協会だった) →「Yahoo!天気・災害」へ独自気象情報の提供
アプリ内のお天気キャスター動画も、ウェザーマップがサイト内で提供しているコンテンツだ。
ちなみに提供元の「ウェザーマップ」は、関東圏ではお馴染みのTBS「森田さんの天気予報」の 森田正光 氏が創業者。
余談ですが、
お茶の間のお天気コーナーは、天候予報の内容より、キャスターのバラエティ性が求められる過酷な現場。お堅いニュースの合間に視聴者を楽しませてくれよ、と無言の圧が襲いかかる。もうデータ放送やネットがあるのだから、お天気キャスターに本職以外を求める目線が緩和されてもいいんじゃない。
Yahoo!天気
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BS700ch. 気象情報
そういうわけでデータ放送の紹介。
BS 700ch. NHKデータ放送 通称「あなたの街の天気」via. NHK
テレビがBS放送につながっているなら、700ch. を入力すると表示されます。
提供元は「ウェザーニューズ」
まずは自分の住んでいる地点を登録。リモコンの BS-3ch.(または2ch) を空かしてこの700ch.を登録するのがおすすめ。右上のワイプは常にBS1の放送が映っている。 画像はたまたまお天気コーナーで撮っただけ。
WN本家は10分間隔更新だけど、700chの情報更新は数時間ごとに更新されるようなので、正確さについてはWN本家を確かめたほうがいいけど、テレビを付けてポンと表示できる手軽さからよく利用している。
ちなみに、地上波NHKの気象予報の提供元を調べたら、「気象庁」「日本気象協会」「ウェザーニューズ」3つを混ぜて使っているみたい。明確なソースは見つけられなかったけど、お天気コーナーのクレジット表示見てるとそんな印象。→NHK NEWS WEB 天気・防災について
参考 気象情報 (NHK)Wikipedia
ウェザーニューズ
前節でも紹介した ウェザーニューズ のアプリ。
無料ユーザーは1時間ごとの予報、有料会員なら5分ごとに更新される予報が見れる。
[雨雲レーダー] & [Liveカメラ] Liveカメラは縮図すればもっと多く表示される。
[コンテンツch.一覧] 気象情報にまつわるレジャーや季節のコンテンツが表示できる。
[桜の開花ch] [ほたる情報ch] 現地の観測員からの情報なので精度は高い。
[空の写真] 当日の空の様子がユーザーからの提供される。なんかネットワークがすごい。鉄ちゃんならぬ “天ちゃん” か。
お天気以外のコンテンツも盛り沢山。
住んでいる地域の気象情報を観測してくれる個人サポーターを募って、独自のネットワークを構築している。そのコンテンツ情報には圧倒。ほかの気象情報組織にできないことをやってのける。
鉄道マニアも外部者からしたらよくわからないカテゴリ分けをして(その中で殴り合っているが)勢力を拡大している印象を受けるが、自分の知らぬ所で お天気マニア という存在があることに気付いた。
たぶん、誰しもがお天気マニア予備軍。自分の中に〝天ちゃん〟を飼っている。太陽光にはそういう波長が潜んでいる。サブリミナル効果的な、ウェザー・リポートの仕業か。
ちなみに、法人登録の正規表記は「ウェザーニューズ」 アプリ名や提供元クレジットでは「ウェザーニュース」と明記している。どちらも同じ。「にほん」と「ニッポン」的な類い。
参考 ウェザーニューズのサポーター参加型企画Wikipedia
ウェザーニュース
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そのほかお天気サービス ─ サブ
いつもチェックしているわけではないけど、ときどき利用するお天気サービス。
東京アメッシュ
東京都下水道局が提供する降水レーダー。表示範囲は東京都がメインだけど、首都圏エリアが映っているので埼玉より南のエリアは恩恵を受けれる。
東京アメッシュ https://tokyo-ame.jwa.or.jp/
気象庁 ─ 高解像度降水ナウキャスト
250Mメッシュの解像度を謳う気象庁の降水レーダー。操作が扱いにくいのでイマイチだけど天下の気象庁なのでひとつくらいご紹介。
高解像度降水ナウキャスト https://www.jma.go.jp/jp/highresorad/
強震モニタ
地震関連のアプリはいくつかあるけど、強震モニタ を利用している。地震が起こったときにほぼリアルタイムで震源地がマップ上に表示される。TV速報やYahooトップページより断然早いので重宝している。まぁ瞬間で震度7クラスが来たら何もできないのだけど。Androidアプリ やChromeの 拡張機能 とかもある。
強震モニタ ブラウザ版 https://realtime-earthquake-monitor.appspot.com/
米軍合同台風警報センター(JTWC)
アメリカの米軍合同台風警報センター(JTWC)が発表する台風予測。
米軍合同台風警報センター(JTWC) https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html
おわりに ─ 的中率じゃない天気との付き合い方
天気予報と聞いたら、思い浮かぶのは「予報が当たるかどうか」的中率にフォーカスされることが多い。しかし天気予報について調べていくうちに「どこどこの予報が当たりやすい」とかではなく、想定しうる気象変動のパターンを知っておくこと の大切さを教えられた。
このブログは自転車に特化してるので、例えを自転車に寄せていくけど、
例えばロードレースで、「今日のレースはこういう筋書きで勝利する」とイメージを描く。だけどレースは生モノ。戦況は刻一刻と目まぐるしく変化する。予期せぬアクシデントが絡み合い、風などの天候にも影響される。その際に思い描いてる筋書きが1パターンで、それにハマらない状況や読み違えてしまえば勝利からは遠のく。けれども、いくつもの勝利パターンを思い描いておき、状況によってベターな戦略をとれば勝利を手繰りよせられるかもしれない。
天気との付き合い方もそういうもの。
ひとつの予報サイトを盲信するのではなく、いくつかの予報サイトを見比べて情報の引き出しを増やしておく。
当たる・当たらないで、イチイチ目くじらを立てるのでなくて、そのときの天候に合わせた行動を取るようにシフトする。さっきも触れたけど、大気の変動を予測することは 究極的には流体の運動予測。そう考えれば的中率がいつも100%を叩き出すのは難しいものだ。
幼い頃はもっと素直に天気に向き合えていたと思う。
だんだん年齢を重ねて、なんとなく手持ち無沙汰で場をもたせるためだけに天気トークをして、「いやぁ近頃の天気にはまったく参っちゃうね」と特に参ってないけど天気を邪険する場面に出くわすことが増えて不憫に感じる。
天気は思い通りにならない。天の采配にあーだこーだいうのは人間の高慢かもしれない・・・。
いや、お前のブログタイトル、めっちゃ晴れを待ちわびる下心ありまくりじゃん
そう突っ込まれればまさにその通りで、頭では理想を描いても実際に発動する自分の感情があるからどうにもならない。聖人君子には程遠い。
そんなわけで、お天道様、僕が自転車イベントに出る際は、なにとぞ好天をお恵みくださいませ。
「 思 い 出 は い つ の 日 も 雨 〜 」