全国1億の自転車愛好家な皆さん、こんにちは。
全世界10億のTIMEファンな皆さん、ボンジュール。
そして、千葉県館山好きな皆さん、こんにちば。
この記事は、フランスの自転車メーカー TIME Sport の日本代理店 ポディウム 主催イベント 「 TIME Camp 2018 in 館山 」の模様を現地よりお伝えいたします。
千葉県館山市周辺をファンライド。
INDEX
【日時】
2018年6月16日 9:30 – 16:30
【場所】
千葉県館山市
【内容】
参加条件はTIME製品のユーザーならOK。館山市周辺を一緒にサイクリング。
開発者や関係者から製品のレクチャーやコミュニケーションをとり、より深く自転車ライフを愉しむことを目的とした日本代理店ポディウム主催のイベントです。
スタート場所に集まった一同にミーティング&アナウンスがされる。
ゲストとして参加予定だったTIME社のパスカル氏は諸事情により来れず・・・。
本家本元のTIMEパッションを聞きたかったけど残念(もしかした航空便の行き先をうっかりロシアにして 2018 FIFA World Cup™ のフランス戦を観戦しているのかもしれない。応援の甲斐あってフランス優勝。)
スタート地点は、館山リゾートホテル。
走行ルートは反時計回りに、布良・白浜方面に南下 → 内陸の丘陵地帯 → 渚の駅たてやま → 房総フラワーライン沿い → スタート地点に戻ってくる30km弱のルート。
「南国」の異名を持つ館山。市街地が北緯35度くらいで西側に延長すると京都にあたる。冷静に見るとそこまで南に位置してない。
天気は、限りなく雨に近い曇り。そして寒い。
これは自分を雨男と認めるべきなのか、はたまたギリギリのところで持ちこたえてる晴れ男と見るべきなのか。
余談だが、知り合った人で天気予報が雨マークでも晴れにしてしまうゴルフ好きの人がいて、なんとかその特殊能力のおこぼれをいただけないものか真面目に考えている。実際このブログ名に願掛けしてるように無性に自転車乗りたいときに雨になることは多い。ポディウムさん、すまん。
信号待ちに 菊地武洋 さんのディスクモデルのScylonに注目が集まる。
菊地さんが今回乗車しているのはディスクモデルScylon。最近組み上げたばかりのようで参加者も興味を引かれる。「ディスクブレーキってどうなんですか?」と質問が飛ぶ。
「ディスクブレーキいいよね。やっぱりブレーキがよく効くよ。こういうウェットな状況とか。まぁ雨の日に乗るのは今日が初めてだけど。」
ユーモアはノーブレーキ。和ませる人柄で知識も豊富。イベントを影で支えていた。いろいろ教えてもらえました。
ディスクブレーキモデル Scylon。あえてのAll Whiteオーダー。でもご本人は「真っ白すぎてステッカー貼ろうかと・・・」とも
少しばかりライドしたところで、エド氏からトレーニングレクチャー。
よりパワー強度を上げるため、こんなメニューがあるよ、とトレーニングを伝授してくれた。
エドアルド・ジラルディ氏。プロレーサーのキャリアも持つFSA営業部長。ルックスもイケメンだ。(左)
SFRと呼ばれるパワーの持久力を上げるトレーニング
2018年はニューモデルの ALPE D’HUEZ が出たばっかりのタイミングで、上りとかで試乗させてくれるかも、と淡い期待を抱いていましたが、結局オアズケでした。
2018年2月 クライミングモデル IZON の次世代としてデビューした “ALPE D’HUEZ“
SFRトレーニングは1本やって終了。
一行は、渚の駅 たてやま で小休憩。
PODIUM Co.Ltd. 菅田社長。サイクルラックがTIMEだらけ。掃除のおっちゃんが値段に驚いていた。
ブログに載せてもいいですか?と尋ねたら快くOKをくれたポディウムの菅田社長。
自転車に詳しくない人にしたら、ロードバイクがいっぱいあるなって印象だけど、ショップ以外でタイム乗りに出会ったことなかったのでここまで集まると威圧感がある絵面だ。
たまたま清掃のおっちゃんが通りかかったので、B.B.Baseの影響でサイクリストが増えてるか尋ねてみたら、「ちょいちょい見掛けるけど、こんなに沢山自転車があるのはないね。こういうのいくらすんの?」と和やかなはずの空気が、値段を教えたことによって凍りついてしまった。
やはり10〜15万くらいしちゃうんですよ、って偽るに限る。
「B.B.Baseっていう電車に自転車を乗せられる…(ry)」「へぇそんなのあんだね」やっぱ知名度は低い。
ここまでポタリングペースで走行距離18km。道幅が狭かったり交通量が多かったりしてまったりライドだった。
ここからは フラワーライン と呼ばれる海岸線に沿って走りやすい道になるので、少しは快走できるかな、と予想していた。
がしかしアクシデント。お先にどうぞとか、信号が変わりそうなら無理せず止まる、とか「自分、千葉県、地元ですから」の謎の余裕から、ちょっと心の大らかな人柄を演出してたら見事ハマりました。信号分断。
先頭もすぐに次の信号で止まるでしょ、と思っていたら青続き。一方最後尾のこちらだけ赤赤赤。
1kmもしないうちに集団は眼前からエスケープ。しかも先頭ではエドがプロの引きを見せて集団の速度は最高速になったようです。
サイスポの記事 に海岸線のカーブをずらっと自転車が走る写真があるでしょう、この時点で私は遥か後方。写真にも写ってないところでぼっちライド。
えっ、みんな速すぎない? 道間違えた? 同じ魔法の絨毯だよ? と不安に揺さぶらされながら必死にペダルを踏んでいました。このイベントで一番楽しみにしてた時間だったのに。ぐぬぬ。
結局、ランチをするお店の目の前でゆったり走って待っていてくれた菊地さんに追いつく。
本日のライド、ほぼ終了───
ボリューム特盛のランチ。それよりテラス席でめっちゃ寒かった。
この日は6月だけど寒波再来という感じの気候で、自分は寒さに弱いのでずっと凍えながら食事していた。(トイレが近くて5回も行ってたのは自分でも驚いた)
そんな中でもいろんな地域のサイクリストが集まっているので、自転車トークも実り多かった。
おすすめのコースや普段走っているスポット、TIMEの工作精度の高さとか (でもBBはなんとかならない?) アッセンブルしてるパーツのことなど・・・etc.
印象に残っているのは ディスク化の流れ の話だ。
2018年6月の時点では、日本のサイクリストはディスクブレーキ移行に懐疑的なユーザーが大多数を占めていたと思う(肌感覚だけど) この場のトークで菊地武洋さんは「これまでのパーツやストックを泣く泣く手放している。時期が過ぎれば相場はどんどん安くなる」ということを話していた。でもまぁリムでも不満ないしなぁ、という全体の空気に安心して不安に駆られる感覚はなかった。
ターニングポイントになったとしたら2018年7月──
ツール・ド・フランスの開幕とともに発表される各メーカーのフラッグシップモデル。「ディスク・エアロ・速い」の三拍子。リムモデルは作りません、Only Disk. だんだんとディスク化がポピュラリティを得て、ツール・ド・おきなわでのヴェンジを駆っていたライダーが優勝。各メディアが2018年の最優秀モデルにディスクモデルを選出。
2019年が始まると、これから買うならディスクモデルにしておいた方がいい、これからのメインストリーム!と局勢は一変。・・・というかリムブレーキの方が懐古趣向に追いやられてしまったと思い知らされることもたびたび。別にリムでも不満はないんだけど、次に買い換えるとしたらディスクモデルしか売ってなさそう・・・。
食事を食べ終えたら突如始まるファンミーティング。ここでやるのか。
FSAの最新コンポの説明。ROTORに次ぐ認知度を得れるか。
こういう場ってホテルの方でやると思っていたけど、不意打ちで始まるファンミーティング。
菊地さんからTIMEの話(ここは多分本日不在のパスカル氏の役割)エド氏からはFSAが展開するコンポの話。
菊地さんからのトピックスをひとつご紹介。
ディスクScylonを乗っていてこれはFluidityキラーかもしれないと感じた。それはディスク化によるワイドになったタイヤ幅とチューブレスが生み出す快適性。リムブレーキのタイヤの空気圧が7barとする。でもディスクブレーキでは5barなどの方が快適だしよく走る。これは空気圧の数値は違うけどタイヤに入ってる空気の容量は同じだから、結果幅広タイヤを使うディスクの方が空気圧が低くなるという見解。(解釈が誤っていたらすみません)
FSAのブラケット。壁のような突起で日本人の手に合わないというレビューをたまに目にするけど、右の写真ような握り方も考慮して設計していることもある。この部分ってカンパ以外追求してないように感じるんだけどサドルみたいに何パターンか出していいんじゃない。
サイスポ版 「できるかい、笑顔」の撮影。全力のドヤ顔を決めるメンタルの強さを試される(テキトー)
館山リゾートホテルに帰還。
30km弱のライドだったので、少々走り足りないのも否めず、ポディウムさん次回はもうちょい走らせてください。
ライド終了後もせっかく館山に集まったわけなので、参加者たちでいろいろ情報交換。使ってるパーツどうですか?とか、とりとめない話でも共通した趣味で話せる楽しいひとときだった。
戻ってきたホテル。やっぱり青空と青い海岸線の景観の中、ライドを楽しみたかった。
菊地さんが試乗していいよと貸してくれた “Vision metron 40”
そろそろ自分もカーボンホイールに手を出したいと思っていたところ、Visionのニューモデルがいいらしいとネットの噂を目にしていたので、菊地さんに尋ねたら履かしてくれた。ブレーキシューがカーボン用じゃないけど大丈夫ですか?「まぁ大丈夫だよ」とあっさりしていた。
1kmそこらを走っただけで、ホイールのインプレなんか自分にできるわけもなく、お返しするときに、いいホイールですね!とわかった風な人を装って感謝を伝えた。フレームもそうだけど、高価な品物なのに対してじっくり試せずに購入に踏み切るってハードルが高い。フレームはTIMEで大満足だったけど、はたしてホイールはどうなるのか。ディスク化の流れと相まってますます悩む。
BERNIE FUCHS [GM Corporate Ad. / Savannah / 1960] ─ via. 20th Century Man
バーニー・フュークス はアメリカのイラストレーター。
20代の頃にデトロイトで自動車広告の仕事を手掛けた。それまでの常識では自動車に人物がかぶったり車体が見切れたりすることはタブーとされていた。
しかしフュークスが描いた 数々イラスト は、無機質なプロダクトそのモノを描くのではなく、車を持つ楽しさ、車を取り巻く風景を見事に表現した。豊かな時間の在り処をイメージさせ意識を顕在させた。
フュークスのグラフィックスキルや事象の洞察力、構成力など圧巻のセンスだけど、作品を見たときに伝わってくるアメリカの情景やそこで過ごしていた人の時間をしっかり捉えた観察力、それを色鮮やかに構築する表現力は、普遍的なものを体現してるように感じる。
日本の自転車メーカーと海外メーカーの広告やプロモーションを比較すると、日本の方はプロダクトそのものにフォーカスして、海外は利用シーンを印象的に打ち出している気がする。分析して統計を出したわけではない肌感覚だけど。でもこの肌感覚ってのはけっこう重要な要素だと思う。
前モデルより 剛性〇〇%アップ! 空気抵抗〇〇%削減! プライス〇〇%アップ…。
性能評価のPRが常套手段。マーケティング側もマンネリを感じていると思うけど、でも性能はもう充分な水準に達しているようにも感じる。お値段は下がりませんか?外通並に。
これも肌感覚だけど、グラベルバイクやアドベンチャーライド、ソロキャンプなどがにわかに注目を集めているのは、その体験で得ることができる時間が しっかりと実感できるもの だからかもしれない。
空調の効いた快適な空間で、スマホやテレビを見てゴロゴロしている方が苦労もなく何不自由ないかもしれない。でもそういうのが続いていくと何の印象も残らないことに空虚を感じることがある。
時間をしっかり実感するには、その人にフィットした手段があるので、いろいろ試していくしかない。
気をつけてほしいのは、高速道路みたいな時間があるので注意してほしい。というかけっこう存在する。
入り口のゲートをくぐったら、車の流れに抗うことはできないし、景色も対して変わらないし、自由が少なく渋滞に足止めを食らって、けっこう走ったのに実感が乏しく、気付いたら出口に着いて1日が終わっている。(もしかしたらBMW乗りにあおり運転されて怖い思いをするかもしれない)
私たちはどうしても、比較評価ベースで物事を判定しがちだ。
「TVで放送されていたから」「SNSで注目を集めているから」「みんなが”良い”って言ってるから・・・」
一旦そのレールに乗ってしまうと、次の体験はさらに良いものをしなきゃ、買わなきゃ、というインフレ問題にハマってしまう。バトルマンガで強い敵を倒したら、その上の強い敵が出てきて、そのまた更に強い…..roop icon-refresh 際限ない比較評価合戦に巻き込まれる。
最終的に行き着く先は、その界隈のトップまで行くか、次第に飽きてフェードアウトするかのどっちかになると思う。
だから、なるべく時間の流れを見るようにしている。
良いとか悪いとかはいったん忘れて、その都度ジャッジしないように、ただそこに在る時間の流れを追うように。
そして思う、比較評価して得るものは何のだろう。逆に言えば、誰かの評価が確立していなければ自分は楽しめないのだろうか。性能がパーツがどうだとかに因われずに、ライドして楽しいなら感じていることに素直になりたい。
そうはいっても、お前のフレーム TIME じゃん、いいやつじゃん!
とツッコまれれば、その通りで、これがGIANTだったらここまでロードバイクに飽きずに続けていたか悩ましい問いだ。GIANTはロゴが悪い。TIMEも2018,19年モデルのロゴ問題あるので人のこと言えないけど。
どのジャンルにも先入観、強迫観念は存在する。
それに乗っかることで得られる幸福感もあるけど、自分の感受性が乾いていくのを感じたのなら違うベクトルを模索するしかない。
タピオカミルクティーで乾いた心が潤ってくれるなら、それに越したことはないのだけど。
▼Googleマイマップ
タイムのファン向け交流イベント「タイムキャンプ2018」が開催された。当日は愛車を持ち込んだオーナーたちが集まり、交流ライドを楽しむとともに”タイム談義”に花を咲かせた。