千葉県鴨川市にある みんなみの里 は2018年4月28日にオープンしました。
無印良品がプロデュース&提案する道の駅。(無印良品は「里のMUJI」って表記してます)
周辺の地域は自転車で走る人も多いルートなので、お店の利用体験をサイクリスト目線で記事にしてみました。
INDEX
そんな疑問が浮かぶかもしれませんが、MUJIフリークならなんとなく推測できるはず。
無印良品は、数年前から鴨川にある大山千枚田の稲作りに携わり、現地で田植えや稲刈りなどのワークショップイベントを実施してきました。
そして、現地収穫の産物を販売する場、直売所=道の駅を無印良品が手掛けることに至ったのは、自然な流れであり、利用ユーザーからも嬉しく、生産者にとっても、無印良品とかわかんらんけど、お客さんが買ってくれるなら助かりゃ、と双方にとって好ましい関係が期待できます。地域の希望となってくれ無印。
施設は3つあります。
バイクラックも併設。B.B.Baseのエイドステーションとなっているため、空気入れや工具もあるそう。
B.B.Baseのエイドステーションは、オフィシャルサイトの Googleマイマップ上で一覧 できます。
意外と多いので、サポートに力を入れてるんだと好感です。
もし食事をするなら、このサイクルラックから左にぐるっと回った場所がテラス席になっており、盗難の不安がある方はそこに自転車を止めてもいいなと思いました。
トイレはサイクルラックの壁一枚挟んだ向こうがトイレです。
広くて使いやすいので、汗をかいてる体を整えてから入店します。
via. Café&Meal MUJI みんなみの里 オフィシャルサイト より
現地の農産物などを使用した料理を食べられる Café&Meal スペース。
都内でも展開しているメニューに加えて、鴨川オリジナルメニューが揃う。ちなみにベーカリーコーナーは無かったです。
入り口の対角線上に位置するテラス席。嶺岡山系を望める。
サイクリングの食事でけっこう気を使うの 内 か 外 です。
いい感じで汗を発散しているので、本人は大丈夫と思っても周囲が気になりますでしょう。
なので屋外で食事できるなら、だいたい屋外です。クーラーは苦手ですし、緑が気持ち良い季節、この眺望の隣で食事してる自分、充実度MAX!とSNSで発信したくもなったり、どうでも良かったり。(そもそもSNSやってないわ)
食事のプライス設定は、Café&Meal MUJI って都心部周辺の展開なので、まぁ都内価格になるわけで、こちらの田舎水準と比較すると値段高ぇな、と感じる人もいるわけですよ。ただ昨今は、割と価格もそれほど差はないと思う。というか元々地方のお店が値上げしていかなかったり激安チェーン店を標準と思ってしまったからのようにも感じる。食べログの感想って貶すか絶賛の落差が大きくて殺伐を感じるから避けてるけど。
ご当地の農産物 直売スペース。「え、竹籠をそんな使い方!」 匠の技が冴える。
多目的スペースはBRUTUSなどのバックナンバーが揃っております。周辺地域のパンフレットも置いてあるので、ビジターセンター的な活用もでき、これでご当地コンシェルジュなどが専属でいたら鴨川を満喫できることでしょう。
代官山蔦屋書店のトラベルコーナーコンシェルジュがお客の要望を聞いて旅行プランをアドバイスしてくれるって話を聞いたことがあるし、地方の情報も都内にあるアンテナショップのスタッフさんに聞くのも情報収集としては精度高いと思うんですよね。「自転車で走ったら気持ち良い所」って聞いて的確なアドバイスもらえるかは求めすぎかもしれないけど・・・。
ショップの方の建物。「え、ポリプロピレンファイルボックスをそんな使い方!」匠の技が冴えわたる。
通常の無印良品の商品を置いてある建物。
千葉県の最南端は、これまで富津店だったけど、鴨川店が一番南に。小学生の頃、無印に憧れていてカタログ妄想をしてた日々、千葉パルコ店で心ときめていた日々、感慨深い。しみじみ。
みんなみの里の施設自体は、以前からありました。
1999年、総合交流ターミナルを利用目的として開館開業してます。
そこを無印良品を運営する良品計画が(どういう契約か分からないけど)指定管理者になり、施設運営する運びになってます。
施設名の由来は、
「みんなみの嶺岡山のやくる火のこよひもあかく見えにけるかも」
この地域出身の歌人 古泉千樫 の短歌から引用されています。
みんなみ は 南 の呼び方です。
南側の嶺岡山で虫送り(稲の病害虫を火を焚くことで駆除すること)する火が今宵も見える季節になったんだなぁ (※独自の意訳)
“みんなみ” というワードは口にしたとき、連想される含みが豊かだと感じます。
みんな=集まる、なみ=海/うねり/継続性、みなみ=日/太陽/明るい、房総 ──
余談ですが、
南 の語源由来は諸説あるのですが、 日本語では、は行↔ま行 のスイッチが度々行われます。(理由は知らんです)
日の方向=日の並→みなみ、的も解釈もできます(ねじ伏せ)
上記を踏まえて伝えたいのは、
ネーミングセンスが光る、ということです。私に評価されてどう思うかはわかりませんが。
余談ですが、
道の駅の名称って、ゆるキャラと一緒で独自色が強い VOW 的な要素があって、味わい深いネーミングが目に付きます。
正にストレートなネーミングから、故に鮮やか、然して及ばず、扨はぶっきら棒…? と思うものまでバラエティ豊か。
旧みんなみの里のパンフレット。施設ロゴのフォントも ちばてつや っぽい朗らかテイスト。
Found MUJI 青山店 の壁面に印字されている田中一光の引用句。
簡素が豪華に引け目を感ずることなく、その簡素の中に秘めた知性なり感性なりがむしろ誇りに思える世界、
そういった価値体系を拡めることができれば、少ない資源で生活を豊かにすることができる。
田中一光
無印良品の内的要因の発案者のひとり、アートディレクターを努めた田中一光
アベノミクス政策で注目を集めた 地 方 創 生
日本全国津々浦々がこぞって、地域の魅力再発見・再発信するムーブメントが盛んになりました。
自分が住んでいる地域もコンサルが先導に入って住民参画型でまちづくり議論を行いました。(一応参加もした)
地方創生という言葉が先行して、今日までに際立った有効な施策は生み出せていないし、結局は今までと似たような施設を作って、ハコモノ行政かよって思うところがあります。行政の発想は、よその成功事例の模範に偏りがちで、“ゆるキャラ” → “インスタ映え” と上辺や目先のことに振り回されている印象です。
どちらかといえば、
現地住民ではない、移住してきて好きなことをやり始めた人たちの方が、地域の魅力を発信してくれてるし、その地域に根づいた営みをベースに輪を拡げてくれていると感じます。
今回、無印良品が鴨川という地方に里のMUJIを展開することで、良品計画の精神理想像が体現されるのか、そして周囲の人たちにこれまでとは違った視点を提示することができるのか、個人的にはとても楽しみです。
白があるのではない。
白いと感じる感受性がある。
だから白を探してはいけない。
白いと感じる感じ方を探るのだ。原 研哉
思わず切り抜いた新聞の広告。言葉の意図は理解できるけど、実感レベルまでにはまだ至らない。
2001年より無印良品アドバイザリーボードに加入し、アートディレクション担当の原研哉
「いつもとは違う時間を求めて、みんな流れている時の中に身を置きたい。」
大山千枚田を観光しにくる人たちを眺めていて、そう感じた。
部屋に閉じこもりっきりで過ごした休日、それは宇宙船でどこかへ恒星間航行しているのもこんな感じなのか、と思うことがある。
変わり映えしない日常に退屈を感じて、いつもとは違う所へ行ってみる。 それは、いつもの時間とは違う時間を体験したいから、とも解釈できる。
けれども、向かった先でもスマホをいじいじしている。
意識してその場所に流れてる時間を取り込まなければ、結局いつもの時間に囚われたままだ思うことがある。
都会の人が田舎時間に馴染めなくて持て余すように。
地方の人が都会時間に揉みくちゃにされて疲弊するように。
急ぐ人に操られ右も左も同じ顔(斉藤和義)
その場所の時間に馴染む方法はいくつかある。
朝早く起きて朝日を見るとか、現地の食べ物を口にする、人と会話する、裸足になってその場所の地面に踏みしめてみたり・・・。
何が時間モードを切り替えるスイッチになるのか、違う時間を手繰り寄せられるのか、日々模索している。
太極拳を習ってみたいと10年程前から思っている(←じゃあ早くやれよ)
中国の万里の長城で太極拳をしてる映像を昔見たことが印象に残っている。「大地の氣の流れを自分に取り込む」というナレーションとその場の空間と調和している動作は説得力を感じさせた。
別に太極拳でなくても、その場所に流れる時間を感じ取れれば何でも良いわけだ。瞑想とかヨガとか。
だからサイクリング+カイロプラクティック=サイクロプラクティックというエセエクササイズを普及するよう試みるのも良いかもしれない。 (偉大なプラシーボ効果)
鴨川長狭地域の田園風景。観光中、カメラで撮ってばかりでなんかよくわからず終わった、ってこともあるから難しいね。
里のMUJI みんなみの里
「里のMUJIみんなみの里」は、無印良品、Café&Meal MUJI、農産物・物産品の販売所、開発工房からなる総合交流ターミナルです。
無印良品 Lab連載ブログ 千葉・鴨川
千葉・鴨川の里山に暮らし、「美しい村が美しい地球を創る」をテーマに、釜沼北棚田オーナー制、無印良品 鴨川里山トラスト、釜沼木炭生産組合、地域通貨あわマネーなど、人と自然、都会と田舎をつなぐ多様な活動を行っています。林良樹 NPO法人うず 理事長/T&T研究所 研究員
▼無印良品 みんなみの里 GoogleMap
▼B.B.Base エイドステーションMap
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はじめまして。
ロードバイクにも乗っていますが
何かを見つけては止まりたい性分で
ロードには向いてない中年女性です。
犬乗せ自転車を車に積んで
みんなみの里周辺を走ってみたく、
「みんなみの里サイクリング」で検索し
偶然こちらにお邪魔いたしました。
写真がきれいですし、
紹介だけに終わらない文章、
(原研哉さんの言葉は、
特に、刺さりました…)
けれど押し付けがましくもなく
勉強にもなりました。
東葛地区在住なのに
千葉といえば海くらいしか知らず
これから自転車を積んで
犬と走りたいと思っていたので
他の記事も読ませて戴きます。
(もちろん、輪行でロードも…
いつか。)
コメント頂いたのは初めてです。
以前みんなみの里に行った時に、テラス側の芝生で犬とドッグランしていた人がいました。
ドッグランするスペースって囲いで隔離されていることが多いですし、今まで考えたことがなかったですが、犬といい時間を過ごせる施設って専用施設を除くと少ないのかもしれません。
毎年10月後半には大山千枚田がライトアップされるイベントも開催されていますのでご都合が合えば…
→「棚田のあかり・棚田の夜祭り」
後半の内容は個人的な趣向です。
みんなみの里関連にかこつけて、抽象的なことを綴ってみましたが、言語に当てはめてたときになんか違う感じになってしまった文章もあるので、まだまだ探り探りです。
写真を撮るのは楽しいときもありますが、サイクリング中、このまま走っていきたいけどブログ用に写真撮っておくか、とかったるいときもあるのでお褒め頂き光栄です。
里山のようなところを犬と走りたくて、
比較的平坦多めな地域を
探していました。
(犬連れが好きなような場所は
逆に苦手なので
そういった施設が少ないのは
大歓迎です )
ですので、全国100万の棚田ファンです 笑
大山千枚田も行きたいですが
人が多そうで…