乗っているフレームが TIME なので、ビンディングペダルも TIME を選んだ。
巷で囁かれるTIMEペダルの情報や実際に運用して感じたことをまとめてプレゼン。
INDEX
TIME Xpro10 | 同封品一式。ペダル本体とクリート1組がセットになってる。
TIME Xpro 10 | スペック |
値段 | 25,300円 (税込み) 2021年 代理店価格 |
クリート穴タイプ | ▶3穴モデル |
カラー展開 | ブラックのみ |
重量 | 113g (片側) |
本体素材 | カーボン |
シャフト素材 | スチール (2層中空構造) |
日本の販売代理店 | 株式会社 ポディウム |
商品の詳細ページ | https://www.podium.co.jp/lineup/2466 |
製品リリース | 2017年に Xpro リリース。(iClic → iClic2 → Xpresso → Xpro) |
TIMEペダルの機能で〝センターフローティング〟と呼ばれる独自の機構がある。
フローティング=可動範囲=ペダルにパチッとはめて左右に動く遊びの範囲
TIME独自といわれるのは、自動でセンター(中心軸)へ戻る仕組みになっている。手っ取り早くGIFをご覧あれ↓
フローティングの可動具合。左右に振ったら自動でセンターへ戻ろうとする。
左右へ動くフローティングは、シマノ&ルック&スピードプレイ のペダルでも同じように採用されている。
ビンディングペダルの歴史を遡ると、フローティング機能は TIME が一番最初に取入れて、他のメーカーも追随したヒストリーがある。
ただ、TIME独自の『センターへ戻る仕組み』がペダリングにプラスの作用をしているか、結局のとこわからないのが本音だ。
クリートの調整範囲。左右を入れ替えることでQファクターを調整。
実際はQファクターの調整は1mmくらい余白がある。クリートを加工したりボルトのネジ頭を調整すればもっといけると思う。
購入する前、〝センターフローティング〟ってQファクターが可動することだと勘違いしてた。箱のウラとか説明書の図を見るとそんな風にも受け取れるでしょ?
「ヒザにやさしいって言われる所以はQファクターが少し動くからかぁ〜」と解釈。結果、全然違ってて、あれ!?ってなった。
調整範囲を求めるなら スピードプレイ が一番許容量があると思う。
サイクルスポーツ 2018年11月号 の特集で『ビンディングペダル解体新書』のまとめがとても良かった。
Webでも見れるけど、Kindleなどで雑誌版レイアウトを読むことをオススメ。(スピプやSPD、クランクブラザーズも掲載してる)
_ペダルの比較ポイント_
① スタックハイト(スタック)
② Qファクター
③ フローティング角度
④ リリース角度
⑤ スプリングテンション
⑥ クリート調整幅
⑦ 重量
⑧ ロードクリアランス
⑨ プラットフォーム幅
⑩ ベアリングサポート幅引用▶ 「ビンディングペダルの指標項目」Cycle Sports
重視されるのは プラットフォーム幅=踏み面 の面積。
新モデルが出るたびに踏み面は、より広くなるのが恒例。現時点だとシマノが一番広い。(幅で測るときと面積で測るときがあるので注意)
スタックハイトもより低くする傾向があり、シマノが一番低い。ただシューズとの関係もあり、SIDIなど逆にスタックハイト高く設計しているので好みの問題でもありそう。
上記項目で TIME ペダルが優れているのは、リリースするときのテンションを一番軽くできること。
重量は、一番高いモデル Xpro15 なら 174.6g(両側) だけど、まぁ重量は程々に。耐久性や力の伝達性の方が重要視されるだろう。
シマノ、タイム、ルックのビンディングペダルを実験・分解して徹底比較。構造&動き方の完全数値化でペダルチョイスが分かりやすくなる。
メニュー | 走行距離 | 値段 |
グリスアップ | 5000km 前後 | 4000円 (目安) |
ベアリング交換 | 10000km 前後 | 8000円 (目安&ベアリングの種類による) |
対応してくれるショップによるけど、一般的にはTIMEペダルを取扱いしているショップから日本代理店ポディウムに送る手順になる。
通販などの購入品は、ポディウムが受付けてくれないので、ササキパフォーマンスサービスさんとかに依頼しよう。
自分は一度グリスアップのメンテをした。
ショップによれば「TIMEの場合、ガタを完全に無くすことは難しい」と事前に説明された。メンテする前もペダリングを阻害するようなガタではなかったけど、神経質な人なら一度ご確認を。
TIMEペダルは固定力を3段階に調整できる。(リリースするときのテンション)
ネジを回してもクリック感がなくてわかりづらいのでGIFで解説↓
底面カバーを外すとわかりやすい。弱 – 中 – 強 の3段階。
固定力の調整。こういうことだと思う。たぶん。誤っていたら教えてください。
説明している解説図を見たことないので、たぶん上記のような仕組み。
自分は〝弱〟にして運用。
レビューなどで見かけるコメント。
たぶんそれ、クリート位置やシューズが適正ではないのでは? と勘ぐってしまう。
回転が上がるとつま先が内に入り、回転が落ちるとかかとが内に移動する。同時に個人差もある。それらの要素すべてに対応できる機能をもたせて初めてもっとも効率的なパワー伝達が可能になるのだ。そうすることで足首やヒザなどの関節の故障を減らすこともできる。パフォーマンスを向上させ、故障を減らすことで選手寿命を伸ばした。基本的な考え方は、初代から最新のエクスプレッソに至るまで変わらない。シューズ角度の自由度、シューズ左右位置の自由度を確保することでシューズがペダル上の一点に固定されることなく浮いているように自由に動くことから「フローティング」機能とも呼ぶ。さらに、自由に動くだけでなく、常にセンターの位置にシューズを戻そうとする力が働くことでより安定した力の伝達が可能になるのだ。
引用▶ TIME 「身体を機材に合わせるのではない。機材を身体に合わせたのだ。」 via. ポディウム
上記の通り、ペダリングによって足が旋回するのは自然なこと。旋回を妨げないことでヒザのダメージを緩和している。でも違和感があるほどグニグニするなら自分のポジションやペダリングスキルを見直したほうがいいと思う。
このコメントもよく目にするけど、疑問が残る。
確かにブランドが売りにしている特徴を見れば、そうなんだろうな、と思わせる。
でも、サイスポで紹介された各項目の数値で判断すれば、TIMEに際立った優位性があるとは思えない。
シマノの黄色クリートも同じくらい可動域があるし、スピードプレイの方が調整範囲が広い。
リリースするときのテンションは確かにTIMEは軽いけど、その軽さがヒザのダメージを緩和しているのかというと、釈然としない。数値では表れない部分で寄与していることも否定できないけど。
ヒザの痛みを無くしたいなら、まずペダリングやポジションを見直すべきだろう。(サドル低くするとか、ヒザに力を入れないペダリングするとか)
便宜上 〝v1・v2〟と表記しているけど、正規にはそういった記載はない。
いちおう旧型v1でもXproに使えるし、現行v2でも iCLIC〜Xpresso に対応している。明らかに形状が違うので半信半疑だけど。
歩行するときの設置面が、現行では広くなったので滑りにくくなった。
「TIMEクリートは滑りやすい」ってコメントも見るけど、(旧型じゃないからか)自分はそこまで滑りやすいクリートだとは思わない。
「シマノ」か「スピードプレイ」のどちらか。もしくは「まだない」
シマノはシェアが多い。プロしかりアマチュアの多くがシマノペダル。乗り比べするとき気軽にできていいよね。(もうすぐ新しいDuraシリーズでブラッシュアップされたモデルが出ると思う)
スピードプレイは調整範囲が広い。また両面キャッチはストレスない走り出しを実感するだろう。(4つ穴が悩ましいけど)
TIMEとLOOKは、乗っているフレームが同じメーカーなので。くらいな感じがする。
あと個人的には、SPDやクランクブラザーズでも、いいと思っている。
不満を言えば、ビンディングペダルを導入してクリートを取付する段階から〝不親切な関係〟は始まっている気がする。
マグネットタイプのビンディングペダルも開発しているニュースを目にしたけど、現行のビンディングの仕組みがもう少し柔軟性ある機構になってほしい。
(他の言い方をすれば、ビンディングペダル自体は必要な機能を満たしているけど、私たちのペダリングに関する知識水準が低いので、〝不親切な関係〟を解消できないまま彷徨っている。とも解釈できる。)
2030年になっても、今のようなビンディング機構なのだろうか? もう少し進化してもいいような気がする。
TIMEがんばれ!経営状態が不安だけど。
あと日本の開発好きなメーカーの冴え渡るギミックの発明を期待している。